家族の介護での疲労。つらい気持ちを軽減させる方法

ご両親の年齢が上がっていくにつれて体が不自由になっていくため、介護が必要になっていきます。介護によって疲弊してしまい、気持ちがつらくなってしまう方も珍しくありません。

実際に介護していくうえで気持ちがつらくなってしまった場合、どのように対処すればよいのでしょうか。この記事では、介護によるつらい気持ちの軽減方法を解説します。ご両親に介護が必要で、現在介護している方などはぜひ参考にしてみてください。

介護疲れの原因

介護による疲れには、さまざまな種類があります。体への負担や精神的負担、金銭的なものへ対する不安な気持ちなど、介護による疲れはいくつか原因があるでしょう。ここでは、介護疲れの原因をくわしく解説します。

体への負担

ベッドで体を起こしてあげたり、着替えを手助けしてあげたりなど、１日に何度も支えたりするため大変でしょう。介護は重労働になるため、腰やひざ、腕などに負担がかかります。

介護は身のまわりのお世話だけでなく、病院の通院や散歩などもする必要があるでしょう。場合によっては、車椅子を押したり歩く際に支えとなりご両親のペースに合わせて歩いたりなど、といったサポートも必要です。

介護している時期は、夜も満足に休めない場合があります。夜中は、トイレ介護やおむつ交換などの必要があり、睡眠がとれないために疲弊していくでしょう。

介護は1日だけでなく、毎日続くものです。毎日のつみ重ねが介護者の体への負担を大きくしていきます。介護疲れの大きな原因のひとつは、体への負担という点が挙げられるでしょう。

精神的負担

介護者は、要介護者やほかの親族、介護スタッフなど、さまざまな人との関わりがあるため、関係性に気を遣ってしまい疲弊してしまうケースがあります。人間関係がむずかしくなってくると、介護者は悩みを打ち明けられず、一人で抱え込んでしまうため注意が必要です。

また、要介護者のためを思って言った言葉がうまく伝わらず、要介護者からの言葉に我慢できなくなり、怒鳴ってしまい自己嫌悪に陥ってしまう介護者も珍しくありません。ほかの親族が介護に協力してくれないためストレスを感じてしまい、介護うつになってしまう方もいます。

介護鬱になってしまう方は、介護によってご自身に自由がないと訴える方が多く、周囲の親族が協力的でない場合には、まわりの方も含めて介護への関わり方を見直す必要があるでしょう。なかには、介護ヘルパーのサービスに不満があり、なかなか言い出せなくてストレスをためてしまうケースもあります。

金銭的な心配

介護にはお金が必要です。訪問介護などを介護保険の範囲内でおさめても、おむつや介護食品などにお金がかかります。なかには、介護をきっかけに職から離れる方もいるでしょう。

介護離職した場合、収入が途絶えてしまうため、貯金や年金のなかからやりくりする必要があります。持っているお金を切り崩していくため、金銭的な不安が常につきまとうでしょう。実際に、介護している方の多くが金銭的不安を感じています。

認知症介護

認知症介護は、要介護者の症状によって、介護者の大きな負担になる場合があります。症状によっては、朝から晩まで同じような事柄を繰り返したり、夜中に徘徊したり、暴言をはいたりなど、息つく暇がないほどに大変な状況が続くでしょう。

場合によっては、介護者だけでは対応しきれない場合もあります。認知症介護している方のなかには、夜十分な睡眠が取れていないという方が多くいるのが現状です。

つらい気持ちを軽くする方法

介護で疲れてしまう方は多くいます。人間誰しも心を持ち合わせているため、介護によってつらい気持ちになってしまうときもあるでしょう。

介護によるつらい気持ちを軽減させるためには、どうすればよいのでしょうか。ここでは、介護で疲弊してしまった際に、つらい気持ちを解消する方法を解説します。

介護保険サービスを活用する

ケアマネージャーに必要な介護サービスを提案してもらい、介護保険の支払い限度額の範囲内でサービス提供してもらう方法があります。介護者がどこまで介護し、どこからプロにお願いするのかを判断するのが要点となるでしょう。

介護者の気持ちも考慮し、おむつ交換や排泄介助などをどちらがするのか決めるなど、ご家族によってさまざまです。また、介護者が気晴らしできるよう、ショートステイの利用も検討するとよいでしょう。

プロの介護職の方は、家庭で主に介護している介護者の休息を支援するというのも仕事の一環として捉えています。できるだけ気持ちを軽くできるように訪問介護や訪問入浴介護、デイサービスやショートステイをうまく活用してみましょう。

介護保険外のサービスを活用する

旅行の付き添いやリハビリ目的以外の散歩、日常生活における掃除や洗濯、買い物や日々の料理など、介護保険サービスではサポートしてもらえない部分を補えるのが介護保険外サービスです。ほかにも、配食サービスやボランティアによる安否確認など、さまざまなサービスがあるでしょう。

介護保険外サービスでは、幅広いさまざまなサービスが期待できる反面、介護保険の対象外なので自己負担になってしまいます。費用面でトラブルを避けるためにも、サービスを利用する前に費用確認しておくとよいでしょう。

また、介護保険外サービスを利用する際は、地域包括支援センターやケアマネージャーに相談したり、近所の人の口コミを参考にしたりしながらサービスを選ぶとよいでしょう。ご自身の気持ちを軽くするために、介護保険外のサービスもうまく活用してみてください。

行政サービスを利用する

各市町村で、独自の介護サービスを設けています。介護サービスには、さまざまなものがありますが、なかでも代表的なものは紙おむつ助成でしょう。

紙おむつを使う場合、月に数万円の費用負担になりますが、行政サービスを利用すれば各市町村がおむつの費用を何割か負担してくれます。介護用品を負担してもらえると、経済的負担を軽減できるため、介護者は助かるでしょう。

相談できる相手を見つけるのもひとつの手

介護する際に介護者は、孤立しやすいという特徴があります。孤立は介護疲れに直結しているため、日頃から解消できるようにしておくとよいでしょう。とくに認知症の介護は大変で、疲弊してしまう方も多くいます。

介護について相談する際は同じ気持ちだったり、同じような悩みを抱えていたりする人に相談するのがおすすめです。家族の会では、介護している方に出会えるため参加してみるとよいでしょう。

家族の会

家族の会は、認知症を発症している方と介護者をサポートする公益社団法人です。各都道府県に支部があるため、確認してみてください。家族の会では、認知症介護している方に出会えるため、共感できたり悩みを相談できたりするでしょう。

同じ悩みを抱えている人がいると思うだけでも、介護者の心は救われます。ひとりで悩まず、家族の会に参加してみるとよいでしょう。

まとめ

介護者は、体力的にも精神的にも疲弊しやすいでしょう。金銭的な悩みを抱えていたり、認知症の介護で夜も休めない状況が続いてしまったりもします。

介護によるつらい気持ちを軽くするには、介護保険のサービスや行政サービスを利用するとよいでしょう。認知症介護している方は、家族の会に出向いて同じ悩みを抱える方と交流を持ったり相談したりするのもおすすめです。

要介護者のためを思って言った言葉がうまく伝わらないなどしてイライラしてしまい怒鳴ったり、周囲の家族が協力してくれなくてストレスを感じてしまったりするケースもあるでしょう。紹介した、つらい気持ちを軽減させる方法を参考にしてみてください。

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