ユニット型老人ホームとは？従来型との違いも解説

ユニット型老人ホームは、家庭のような雰囲気を目指して設計されているため、少人数での共同生活が基本です。それぞれ共有のリビングやキッチンが設置されており、入居者同士が自然と交流できる環境が整えられています。本記事では、ユニット型老人ホームのメリット・デメリットや、従来型との違いを解説します。

ユニット型老人ホームとは？

ユニット型老人ホームは、10人から20人程度の少人数の入居者がひとつのユニットを構成する施設です。

そのユニット内で共同生活をおくりながらも、プライバシーを尊重された環境で過ごせる、新しい形の老人ホームといえます。従来型の老人ホームでは、多数の入居者が一斉に同じ空間で過ごすため、どうしても個々のプライバシーが軽視されがちでした。

大広間での食事や大部屋での生活は、かつての標準的な老人ホームの特徴でしたが、ユニット型老人ホームでは、こうした従来型の問題点を改善しながら運営されています。

ユニット型老人ホームのメリット

ユニット型老人ホームのメリットを、これから解説します。

プライバシーが確保される

ユニット型老人ホームの最大のメリットは、プライバシーの確保がしやすい点です。

個別の居室が用意されており、入居者は自分の空間でリラックスできる環境が整っています。個室のあるユニット型老人ホームは、ほかの入居者と一緒に過ごす時間と自分の時間をうまく使い分けられるため、入居者にとって心地よい生活環境を提供しています。プライバシーの確保は、入居者の心理的な負担を軽減するうえでも非常に重要です。

家庭的な雰囲気で生活できる

ユニット型老人ホームでは、少人数での共同生活が基本となるため、より家庭的な雰囲気が醸し出されます。

ユニットごとにキッチンやリビングスペースがあり、入居者同士で一緒に食事をとったり、ともに過ごしたりする時間が多くなることで、家族のような親密さが生まれます。従来型の老人ホームに比べ、ユニット型ではスタッフやほかの入居者との関係が深まりやすく、日常生活が充実しやすいといわれています。

家庭的な雰囲気は、入居者に安心感を与えるだけでなく、生活のリズムやペースを保ちやすいという点もメリットです。大人数での生活ではなく、少人数での共同生活だからこそ、個々の生活習慣や嗜好に合わせた生活ができます。入居者同士の距離が近いため、自然な形でのコミュニケーションが生まれやすく、孤立感を感じにくい点も魅力です。

個別ケアが受けられる

ユニット型老人ホームでは、少人数制が基本であるため、介護スタッフが各入居者に対してよりきめ細やかな個別ケアを提供することが可能です。

従来型の老人ホームでは、スタッフが大人数の入居者を一度にケアすることが多く、一人ひとりのニーズに対応するのが難しい場合もありました。しかし、ユニット型では、介護スタッフと入居者の関係がより密接になるため、入居者の健康状態や心理状態の変化にも迅速に対応できます。

また、個別ケアの一環として、入居者の生活習慣や趣味、嗜好に合わせた支援が行われることもあります。たとえば、特定の食事制限が必要な場合や、リハビリテーションが必要な場合でも、スタッフが入居者のニーズに応じて適切なケアを提供してくれるでしょう。

介護スタッフとの関係性が深まる

少人数のユニット内で生活することで、入居者と介護スタッフの距離が近くなり、より深い信頼関係が築かれやすくなります。

ユニット型老人ホームでは、スタッフが一人ひとりの入居者に対してより長い時間をかけてケアを行えるため、入居者は安心して日常生活を送れます。スタッフも入居者の生活リズムや健康状態をしっかり把握できるため、早期に問題を発見し、対処することが可能です。

入居者の心理的なサポートも充実し、生活全体が穏やかで安定したものとなります。

ユニット型老人ホームのデメリット

ユニット型老人ホームのデメリットは、以下のとおりです。

費用が高い

ユニット型老人ホームの最大のデメリットは、費用が高いことです。

少人数制でのケアや、プライバシーを重視した個別の居室が提供されるため、施設の運営コストが上がり、その分、入居費用も従来型の施設に比べて高額になる傾向があります。

入居者が少ないためイベントやアクティビティが限られる

ユニット型老人ホームは少人数制で運営されているため、大規模なイベントやアクティビティが少ないこともデメリットのひとつです。

従来型の老人ホームでは、多くの入居者が参加できる大規模なレクリエーションや、季節ごとのイベントが頻繁に開催されることが一般的です。一方でユニット型では、入居者数が少ないため、アクティビティの規模や内容が限られることがあります。

ユニット型か従来型か迷ったら老人ホーム紹介業者に相談を！

ユニット型老人ホームと従来型の老人ホーム、それぞれにメリット・デメリットがあるため、どちらが自分や家族に適しているかを判断するのは難しいかもしれません。

そんなときは、老人ホーム紹介業者に相談してみることをおすすめします。紹介業者は、各施設の特徴や運営状況を詳しく把握しているため、適切なアドバイスを受けられます。また、複数の施設を比較しながら選択する際にも、専門家の意見を参考にすることで、より安心して施設選びができるでしょう。

まとめ

ユニット型老人ホームは、少人数制の共同生活を基本とし、プライバシーが守られた家庭的な雰囲気で過ごせる施設です。個別ケアや介護スタッフとの密接な関係が築ける点が魅力ですが、その分、費用が高くなるというデメリットもあります。自分のニーズに合った施設を選ぶことが、入居後の生活の質を高めるためには重要です。施設の選定には、見学や面談を通じて、実際の生活環境やスタッフの対応を確認しながら、最適な選択をしていくことが求められます。

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